[完]大人の恋の始め方





「コラボっていうと…」



「はい、この用紙に書いてあるわ」



渡された数枚の紙を読む。



簡単にいうと、いつもの優斗さんのポジションを、中島蓮くんがやるらしい。



「でも、どうして急に?」



「映画の中で着るドレスは、全てうちの会社で担当しているの。
だから、応援していますってことと、うちの会社の宣伝かな?」



優里花さんの説明を受け、納得する。



でも、優斗さんのポジションかー…。



いつもの優斗さんの距離だと、かなり近いんだけどな。



あの近さになるのは、気まずいかも…。



それに、友美にも悪いし…。



頭の中でぐるぐると、いろんな思考が駆け巡る。



「あ、それから貴女もゲスト出演させて貰うみたいだから」




そんな中発せられた、この一言。



「え…?」



なんのこと?



「杏里ちゃんも、映画にでるのよ」




…………。



エイガニデル…?



映画に出る?!?!?!?!?!



あたしは、頬っぺたを抓る。



「イタイ…」



痛い!?!?



現実なの?!?!



「痛いだろうな…」



横を見れば、呆れ顔の中島蓮くん。



いやいやいや!!!



「優里花さん、あたし無理です!!」



あたしは立ち上がり、手と首を激しく振る。



無理無理無理無理!!!



ナイナイナイ!!!