マスクちゃんの恋。



急に、視界が暗くなった。



目を開けるとそこは白いT-シャツ。



背中にまわされた手。



「もしかしたら、ヒカルはもっと、怖いって思うかもしれないけど。」



そこで一回言葉を切る。



それと同時に腕に込められる力が強くなる。



「でも言うよ。ヒカル、守るから。僕らが・・・僕が守るから。」



そう言って、今度はふんわりと私を抱く。



まるで壊れ物を扱うように。



「ヒカルの闇は、僕が救うから。だから、安心して、マスクっていう、呪縛を取ろう?」




私の手に握られたマスク。



それが地面に落ちた。



「ここから、始まるんだ。ヒカルの新しい未来が。」



そう言って、抱きしめながら私の頭を撫でてくれた。




私の腕は自然に悠真の背中に回っていた。