マスクちゃんの恋。



「お前の分、今日は一緒の弁当箱だから。」



そう言って、悠真が出したのは重箱。



重箱弁当なんて、小学三年生の運動会以来だ・・・。



「な、なつかしぃ・・・。」



「だろっ??俺もそう思って、今日これに詰めてきたんだ。ヒカル、こういうの見るの好きだよな。」



そうだよ。そうだけど。



そんなこと、一回も言った事、無いんだよ??



それなのにそんな事をも見抜いちゃう悠真の事、尊敬するよ。



私の事、なんでも知ってくれる悠真に。



いつも温かく迎えてくれる郁弥。



学校でもずっとべったりだけど、全然いやそうな顔をしない由香。



気づかないうちにいろいろ手まわしをしてくれる明音。




みんなに、守られてるなぁ。



って、改めて自覚した。