譲る葉

じゃあ、後、お願いします。

私は神様にくるりと背を向けて

布団に向かって、歩き出した。

もう、振り返らない。

振り返れない。

最後に、一瞬ちらりと見えた老人の顔が

どんなに悲しそうな顔であったとしても。



それから後のことは、覚えていない。



気付いたら、空にいたんだ。