「さてと…。問題なのはお客様が望む殺し方だ。璢維人、ターゲットの情報はどうだ?」
僕は璢維人に話しかけた。
「あぁ。今回のターゲットは薄汚い金持ちの家の一人息子だ。お前と同い年だな」
そう…今回のターゲットは昔の僕の知り合い…。たまに話す程度の付き合いだった。
「そうか。もっと詳しく調べといてくれ」
知り合いだからと言って依頼を拒否する事は許されない。
僕は心を無にして依頼に臨まないといけない。
所詮は過去の事。僕にはもう関係ないんだ。
お客様が望むような殺し方をしなきゃいけない……。
僕は殺し屋の『黒ウサギ』なのだから――――。


