高野先生の腕のなか




「…!」


だんだん、近づいてくる。


頼むから、こっちに来て…!


「た……」


大声を出そうとしたとき、頭がズキン、と痛んだ。


足音は、私を見つけることなく手前の廊下を曲がっていった。



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