「どうすれば、休んでくれるかな…?」




私は廊下を歩きながら、彼を休ませる方法を考えていた。




「前を見て歩かないとぶつかるよ、涼ちゃん」




後ろから沖田さんの声がした。




その刹那――。




ゴンッ。




「いっ…」




鈍い音と共に、額に痛みが走った。




目の前には柱がある。




さっきの鈍い音と痛みはこれにぶつけた時のものらしい。