追憶の詩 -浮世抄華-



「ああ。見事なもんだ…」




彼は澄み切った青空を背景に、舞い散る桜を纏うように悠然と空を見上げていた。




その姿はとても絵になっていて、見惚れてしまう程綺麗だった。




私は火照る顔を彼から外し、桜を見上げた。




私達はしばらくその桜を静かに見ていた。




「総司も居ねぇし、そろそろ帰るか」




「そうですね…」




何か、少しこの場所が名残惜しい…。