-短編-童顔幽霊と地味女のお話【完】

少年は私の肩を掴んで
「早苗…聞こえるのか!?」
声を荒げて言った
「聞こえる……え?」
そう言えば耳…キコエル?
「聞こえるのか?」
口を見なくても
聞こえてくる
“言葉”
「ど…どうして…聞こえ…るのかな…」
生まれた時から
色と味しか知らなかった
耳はあっても
耳から聞こえた事が無い