「佐月の姉ちゃん、もう安心だから出てきていいよ」

 塁さんの一言で、私はそっと物陰から出る。

 
 ほんとに、圧巻だった。

 その事を塁さん達に伝えると、「こんなの普通だよ、フツー」と抜けた感じの声が帰ってきた。

 フツーって・・・全然普通じゃないし・・・

 「じゃ、帰ろうか?もう遅いし。佐月の姉ちゃん送ってくよ」

 私はハッとして、腕時計を見る。


 うわ、もう10時近いよ・・・。

 別に家には誰も居ないんだけど、何か早く帰らなきゃってのが拭い難い習性なのかもしれない。