ペテンな彼氏

 連れて行かれたところは、ある潰れたビルが建っている場所。

 見た目からはとても人間が近づかなさそうな、ずっしりとした面影がある建物だった。

 「・・・これって・・・」

 「そう、〝俺ら〟の溜まり場」

 溜まり場・・・やっぱりチームイレイサーってヤンキー軍団だったんだ。

 何となく予想はしてたんだけど、ちゃんと聞くとやっぱり怖い。

 「入れ」

 私は恭真さんに促されて、その建物に恐る恐る入っていった。