ペテンな彼氏

 あの人は騙してばっかりで、荒くて、変態なのだけれど、


 それでも、こんな私を、

 好きになって、・・・くれた。

 ほんの少しでもお母さんやお父さんの事を思い出さずに過ごせたのは、あのペテン師野郎のおかげ。

 長くて呆れる様な学校生活を断ち切ってくれたのはあいつのおかげ。

 認めたくないけど、凄い、凄い世話になってる。

 自分でこういうのを望んだ訳じゃない。

 けれど、・・・何か捨て難いものを感じていた。

 「行く。どこ、場所」