だけどそんなのは

気にならない


逃げるのに必死で…


「離してっ…」


「……ふふふ」

「…いやぁ!離してぇ」


あたしは足を
バタバタした


自分のもってるカミソリで髪をきりはなした


「まて…まてぇ…」


「いや…いや…」


「はぁはぁ…」


意識が遠のいてく


ガシッ…


「ひぁっ…」


ベキッ
グァキィ…
ガチャ…
ぐにゅ…


人間の身体じゃならない音が彼女から…


聞こえる



ザクッ
ザクッ


「ああ…ぐぁぁ…」


あたしの背中や首に
カミソリが刺さってく


何十本もささってく

彼女の細い髪が
あたしの手首や
足をきつく締め上げる


キリキリ…


「…いた…いぃ」


「…ふふふ…」

「死にたいでしょ?」


彼女が聞いてくる


ドグッ

彼女が
細長い腕を
あたしの腹に差し込む


「ぐっ…ああ…」


人間の喉からこんな声が出るものか…


「…ふふふふ」

ぐちゃ…
にちゃ…


彼女があたしの腹を


えぐる…


ものすごい音たてて


あたしの腹から腸を

引っ張り出す


時計は
am 3:00を
さしている


彼女は
笑いながら

出ていった


今なら彼女が
買っていった物の
意味がわかる……


ところで
あたしは生きてる?


見える世界は
どこも赤い…


奴はきまって2時頃…
去ってくのも2時頃…


だけど今日は違った