「あーぁ…」 時計を見ると、長針も短針も12を少し過ぎた所。 日付はチケットの有効期限当日になっている…。 こんなチケット…。 あたしはチケットを丸めて、ゴミ箱に向かって放り投げた。 ゴミ箱に嫌われ、丸まったチケットが床に転がる。 トントンッ。 「まだ起きてる?」 ノックの音と同時に蓮がドアから顔を出す。 「ちょっ、ちょっと返事してから開けてよ!!」 あたしは慌てて体を起こした。 「今日何かあった?」 「何が…?」 「奈緒ちゃんの様子いつもと違ったから…」 「べっ、別に…」