水城神社。 踊り場に腰掛ける一人の青年。 足をぶらつかせながら夜空を見上げる。 夜は冷えているのにも関わらず平然と佇んでいた。 「美しい月だ……」 青年はふと、思う。 ―――この大きな月がまるで俺に“終わり”を知らせているような気がする。 「……時間なんか、止まっちゃえばいいのにな…」 少し悔しげな表情に上手く笑おうとしている顔が月明かりに照らされ儚げに煌めく。 今宵は雪が降らず、ただ静かに月が眩しく輝いていた。 「ぁ……」 青年の足首は白く透けていた。