今日、夢の中。
あたしは浮遊していた。
甘い温もりの中に。
柔らかくて、心地好くて。
頭が真っ白になる。
クラクラするくらい熱い何かがあたしの唇を塞いだり離したりを繰り返す。
視界は歪んで見えない。
眩しくて目も開けているのかさえわからない。
誰が今あたしの目の前にいるのか。
今あたしはどこにいるのかもわからないのだ。
悔しいけれどあたしはその今ふわふわ浮遊している空間に身を委ねることしかできない。
だけど一つだけわかる。
この甘い温もりはあたしの知ってる大好きな人のモノ。
だから。
この温もりは、あたしの大好きなモノ。
「…はる」
気付いた時には暗い天井に向かってその名を口にしていた。
「夢…か」
あたしは寝ぼけながらも、また眠りについた。
今度はあたしの大好きな遥を夢に見たいな。
あたしは考えながら、夢の中に入った。
『…君はホントにおバカさんだ』
夢の中で大好きな声で囁かれた。