やがて日が落ちると外は暖かい光りが灯り出す。
イルミネーションや街灯。
全てがクリスマスを盛大に祝っているかのようにチカチカ光る。
雪もまたちらほらと空から舞い落ちた。


「それじゃあ、行ってくるわね」

「お気をつけて」


母たちを玄関で送り出し、あたしはまた自室に戻った。
お父さんと達大さんも会社のクリスマス会があるんだとか。
お母さんたちより先に出ていったのだ。

そしてあたしは翔太くんと二人だけでお留守番。

確実に脱け出すのは難しい状況になっている。
バレないように、など、不可能に近い。
いっそのこと正々堂々と翔太くんに言うべきか。


「うーん…」


電気も付けないで項垂れていた時、あたしはあることに気付いた。


「あれ……?」


視線の先はバッグの隣。
今日確認したはずのプレゼントが一つ無かったのだ。
よりによって、シルバーの袋だけが。

「嘘…どうして…」


あたしは必死に探し出す。
部屋の隅から隅まで。
だけど、なかった。


「……」


すっかり外は暗くなり寒さは増すばかり。
不安も高まるばかりだ。

どうしよう。
このままじゃ渡せない。

あたしはまた部屋中を探す。
冬なのに変な汗を流しながら。
バッグの中。
タンスの中。
押し入れの中。
誤って物を入れてしまいそうな場所全部。


「ないよ…」


携帯で今の時間を確かめる。
もう七時を回っていた。
あたしの焦りがまた不安を大きくし悲しみへと変わっていく。
心臓が変に騒いだ。