聖なる夜の前日。 闇夜の中でまた青年が一人、踊り場で佇んでいた。 雪のように真っ白な一匹の蝶が青年の白いしなやかな指に止まった。 「…雪が降ったらどんな顔をするのだろうか…」 青年の指から蝶が溶けた。 まるで灯されていた小さな火のように。 すると空からちらほらと。 白くて軽い物が舞う。 雪だ。 「…明日、会えますように…」 青年は手を絡み合わせ、願った。 雪が舞う中、漆黒に煌めく青年は冷たい空気の中に宿る。 そして――― 闇に溶けた。