駅のロータリーが見渡せるカフェで時間を潰すことにした。

着いた、との連絡もいれない。

腹立たしいから残業メールの返信すらしていない。

「キャラメルマキアートください。」

メニューを開いて目についたものを注文した。

先にご飯を食べてもいいけど、そうも出来ない自分の弱さがここにも出る。

「お腹空いたな…。」

消えそうな声で呟いて窓の外を眺めた。

迎えに来る人、送る人、忙しなくロータリーの中は車が行き交っている。

青のSUV車、それ以外は気にすることなく流していく。

どうせ1、2時間は軽く待たされるのだろう。

前もそうだった。

“そんなに結婚したいの?”

彼のことを愚痴った時に友達に言われた言葉が頭をかすめた。

ノロケの入った愛情のある愚痴じゃなく、本気の文句だったことに対しての台詞だ。

そんなに“彼と”結婚したいの?