喧嘩したその日の夜。
俺が寝てる間にあいつは居なくなってた。
すぐに帰ってくるだろうって思ってた。実際は帰ってこなかった。
メールをしても返事はない。電話をしてもでてくれない。どこに居るのかもわかんない。
あいつの事わかってるつもりだった。ホントは知らないことの方が多かった。

仕事から帰って、ポストに一枚のメモが入ってた。

『急に居なくなってごめん。でも、もう会えないよ。もう終わりにさせて。辛いんだよ、居て当たり前の存在になるのが。だから、終わり。体に気をつけてね。頑張ってね。バイバイ』

終わりを告げるメモ・・・読んで、涙を流してる事に気付くのに少しだけ時間がかかった。

もう、伝えられないかもしれない。ゴメンな。ゴメン。

たった一回の喧嘩、だけどその一回はとても大きな一回だった。

こんな風に人はいろいろな事を、重ねていくのかもしれない。

君が残した二年前の涙ににじんだメモをみつけて、久しぶりに君を思い出したよ。

『ゴメンより今は、君にアリガトウを伝えたい』