中学入ったら、あたしはめったに家に帰らなかった。
その頃は、友達と出歩くばっかで、夜遊びもしてた。
いわば、荒れ始めた。
何時も、学校で悪さするおかげで、両親は何時も学校に呼び出しくらって。
怒られて。謝って。
家に着けば、あたしの説教。
毎日のように。

説教されてるあたしを見ていたのは、集ちゃんだった。
説教が終わると、傍に寄って来て。
「結未姉ちゃん大丈夫?」って言ってくれた。
こんなあたしでも、心配してくれる人がいるんだって。
そう実感した。


「結未、いい加減にしろよ」

「関係ないじゃん」

「集に写ったらどうすんだ!」

「…知らない。関係ない」

「お前!」

「遊我兄ちゃん…?」

「集…起こしたか?」


集に写ったって知らない。
集がどうなろうと関係ない。
最初のうちはそう思った。

あたしが不良として暮らしてたときは、遊我が集ちゃんを面倒見てた。
小学生のときは、あたしが振りましたくせに、中学が面倒すらまともに見なかった。
集ちゃんがあたしを好きだってしてる。
甘えて来るから、多分…家族として好きだって。
だから不良になっても、面倒を見てなくても、集ちゃんはあたしのとこへ来る。