合宿が始まった。

2泊3日で学校の宿舎に泊まり込み、コンクールへ向けて最後の追い込みをする。


遼ちゃんとはあのままなんとなく距離がある。


甘えないことと距離を置くことは違うってわかってるけど、どうしていいかわからなくて…。


わかってることは、今も遼ちゃんが好きっていうこと。


ふられても、やっぱり私にとって特別な人なんだ。



今までは諦めやすい性格っていうか、切り替え上手だったけど

遼ちゃんのことはそうはいかない。



きっと『好き』ってこういうことなんだろうな…


自分の気持ちがわからないのに、好きっていうことだけはっきりとわかる。


この想いは、消すことも増すことも自分ではできない。

胸のアンテナが感じとるから、頭でコントロールできないんだよね。