自分の部屋に戻った私は

お守りのリップを握り締めた。


強く握ったその手に、熱いものがこぼれる。



「私……最低…」



何も知らなかった。


何も気づけなかった。


何も見ようとしてなかった。



いつも遼ちゃんに

守られて…


好きになって…


勝手に嫌われたと思って

嫌いになって…


自分のことばかり大切にしてた。


遼ちゃんの涙、苦しんでる姿なんて見たことなかった。


それが遼ちゃんだって思ってた…。



だけど、

私が見ようとしてなかっただけなんだね…。