私は麻衣子の家に泊まることになり、途中で遼ちゃんと別れた。


もしかしたら、遼ちゃんはそのままカラオケに行ったかもしれない。

そこにはお姉ちゃんもいるかもしれない。


いろんなことが胸の中で渦巻いて、道の途中で涙が溢れだした。



「葵ちゃん、どうしたの!?」

嶌田部長が突然泣き出した私に気づいて驚いてる。


「すみません、なんでもないんです…」

言葉とは裏腹に涙が止まらない。



私、今日いっぱい嘘ついてる。


あんなに楽しかったのに…

今は後悔でいっぱい。






嶌田部長が公園のベンチに麻衣子と座らせてくれた。


「本当は俺いない方がいいってわかってるんだけど、時間が時間だから…」

そう言って遠くでたむろってる男の人たちに視線を送った。



そして、ドキッとする名前を口にした。


「もしかして、遼のこと?」



嶌田部長の鋭い質問に、私は小さく頷いた。