ミーティングで嶌田部長がみんなに話し始めた。

「5日後の夏祭りイベントに参加する予定だった西山高校が急に辞退して、祭りの担当者から参加依頼があったんだけど、みんなはどうしたい?」


急なことでみんな驚いた。


来月のコンクールのために練習メニューを変えて頑張ってきたんだから、
戸惑いがあらわになるのは当然だよね。


「急すぎるよ」

「参加したいな‥」

「参加しても曲が間に合わないよ」

「コンクールが優先だよね」


みんなポツリポツリと自信なさげに問いかけるような意見を言いはじめ、音楽室がざわつき始めた。


私もイベントには参加したいけどコンクールがあるし…

どっちも選べれないよ~!



混乱し始めた音楽室の中で、はっきりとした言葉が聞こえた。


「たまにはポップス吹きたくない?」


遼ちゃんの声だった。

その声でざわめきが止まる。


「俺、楽しみたいな~」

遼ちゃんがそう言ってみんなに顔を向けると


「俺もです!」

「私も!」

「浴衣着たい!」

「明るい曲やりたい!」



一気にみんなの本音が笑顔に表れた。




「それじゃあ、全員一致で参加を決めていいですか?」



「「「 いいでーす! 」」」



みんな笑顔で嶌田部長に答えた。



「そういうことです」

嶌田部長が林先生に言うと、


先生は呆れた顔で…

嬉しそうにため息をついた。