午後の授業は眠い。

先生の声が子守唄に聴こえる。

窓際の席で私は、日差しを浴びて心地よくなってた。



後ろの席の麻衣子が私の背中をシャープペンで突っつき、窓の外を指さす。


指さす方に目を向けると、

グラウンドで体育の授業をしている遼ちゃんがいた。


目を見開き麻衣子に笑いかけると、麻衣子も笑ってくれた。




遼ちゃんは、白いTシャツと膝までまくり上げたジャージを履いてた。

サッカーボールを追いかけて、きらきら輝いて見える。



ジャージ姿の遼ちゃんもかっこいいな。

見惚れちゃうよ‥。


あっ、ボールを追いかけてたのに、友達を追いかけはじめた。

じゃれ合ってる姿が子供みたいでかわいい。


「クス‥」

「北島さん、どうかしました?」

「いえ‥すみません」


やば。遼ちゃんのことしか見えてなくてつい笑っちゃった。



もう一度グラウンドに目を向けると、遼ちゃんは体育の砂山先生に怒られてた。


それでもめげずに笑ってる遼ちゃんがいる。