看護婦さんから受け取った遼ちゃんの時計は 赤ちゃんが生まれた時間に止まっていた。 私の時計だけが 静かな病室でカチカチと動いてる。 すやすやと眠っている赤ちゃん…。 あなたのお父さんがあなたが生まれた瞬間に 遠い空へと旅立ったよ…。 ガラス越しの赤ちゃんに伝えた。 眠っている赤ちゃんが、ふいに笑ったように見えて、 その瞬間からぼろぼろと涙がこぼれ落ちた。 遼ちゃんがいない世界で生きている私……。