「葵が小さい頃にしてくれたプロポーズの返事、今してもいい…?」



遼ちゃん、

覚えててくれたんだ…



『大きくなったら遼ちゃんのお嫁さんになる!』




あの時の無邪気な私の言葉を、

遼ちゃんは、ずっと覚えててくれたんだね…。




嬉しくて泣きそうになる。


私は涙をこらえて小さく頷いた。




「俺が一人前の男になったら…

僕のお嫁さんになってください」



大好きな眼差しと声に

私の涙腺のネジが外された。



「はい‥‥」

溢れる涙と笑顔で遼ちゃんに答えた。




遼ちゃんは、右頬に薄っすらと笑窪を現し、

とても優しく、愛しい眼差しで微笑んでくれる。



「愛してる…」


遼ちゃんの言葉が、胸の奥に入ってくる。



「私も…愛してる……」





好き


大好き




愛してる……。