「今はしない」

「どうして?」

赤くなった遼ちゃんの顔に近づいた。



「今キスしたら…キスだけじゃ抑えられなくなるから」



それって、もしかして…


真っ赤になった私の頬に遼ちゃんがキスをして言った。



「いつか…ね」





微笑んだ遼ちゃんの瞳に吸い込まれそうになる。



遼ちゃん、好きだよ。


大好きだよ…。





手をつないで資料室を出た私達は、仲間のいる音楽室に行った。



私達の姿を見て、心から喜んでくれる麻衣子と信汰。


ほっとした優しい笑顔で迎えてくれた仲間たち。




すごく嬉しかった。



嬉しくて、嬉しくて…



みんなの胸の中で、私は涙が溢れた。