「わかったわよ…あんたみたいなガキ、こっちからお断りよ!!」


神崎先生は凄い勢いで資料室のドアを閉めて出て行った。





残された遼ちゃんと私…。



私は遼ちゃんの手を握ったまま泣いていた。



「ごめん…。俺‥葵をいっぱい傷つけた…」



遼ちゃんの声、


もう一度握り返してくれた手から



優しさが伝わってくる。




「違うの…。私‥遼ちゃんは神崎先生のことが好きなんだと思って…別れたの…。

だから、遼ちゃんが私を好きでいてくれたことが嬉しくて…

嬉しくて涙が止まんないよぉ…」



大粒の涙を流してる私を、遼ちゃんが抱き締めた。



「俺…葵に嫌われたんだと思ってた。
いっぱい傷つけて、いっぱい泣かせて…
俺なんかが傍にいちゃいけないと思った」


「やだよ…。遼ちゃんがいてくれなきゃ‥やだ…。
遼ちゃんが好き…。ずっと、遼ちゃんが好き…」



「俺も好きだよ。もう、二度と離さない…」





遼ちゃんと見つめ合い、


ゆっくりと唇を重ねた。





涙味のキス。



少ししょっぱくて…


温かいキスだった。