午後の授業が始まる頃、遼ちゃんが学校に来たのが見えた。


私の胸のドキドキが倍になる。



部活が始まる前に渡しに行こう!

迷う前にそう決めた。





午後の授業が終わり急いで教室を出ようとしたら、麻衣子と信汰が言った。


「葵、がんばってね!」

「葵、当たって砕けろ!」

「バカ!砕けちゃだめでしょ!」

「あっ、そっか。とにかく応援してるからな!」



「ありがとう」



二人のエールを胸に、


遼ちゃんの教室に走った。




電話で呼び出すこともできたけど、直接会いに行きたかったんだ。


真っ直ぐな想いを伝えるために。