「葵、がんばってね!」

「徹夜しても俺の分も作れよ!」


応援してくれてる麻衣子と信汰と別れて、足りなくなった材料を買って家に向かった。



一人で歩く帰り道。



後ろから足音が聞こえるのに、振り向くと誰もいなかった。


何だろう…。


急に怖くなって歩くスピードをあげた瞬間



黒い影が私を路地裏に突き飛ばした。




何!!??



何なの!?




恐怖の中、私に覆い被ろうとする影を力いっぱい突き放した。




怖い



怖いよ



やめて



やめて!!




両手を地面に押さえつけられ動けなくなった私は瞑っていた目を開けた。



目も前には、息を荒くした黒尽くめの顔があった。