喫茶店に入るとコーヒーのいい香りがした。


高橋さんと私は、そこの喫茶店のおすすめメニューにあるオムライスとハンバーグを注文した。




「おいしい?」


ハンバーグを口にした私に高橋さんが聞いた。



「はい、おいしいです!」


「よかった。初めて連れて来た所がまずかったら印象悪いもんな」


「え…?」


「葵ちゃん、よかったら俺と付き合わない?」



高橋さんの突然の告白に驚いて、ハンバーグが飲み込めなくなった。




高橋さんは私に水の入ったコップを差し出しながら優しく言った。


「返事はいつでもいいから考えておいて」


「はい…」



高橋さんと別れて家に着いた私は、ハンバーグがどんな味だったのか覚えてなかった。