夜になると、おせち料理を食べながら紅白を見る。

これがうちの毎年の恒例だった。



お父さんは大ファンのサブちゃんが出ると、お酒の瓶をマイクにして一緒になって歌ってる。



これも毎年恒例のこと…。





テレビで除夜の鐘を聞きながら年越し蕎麦を食べ、家族で新年の挨拶をして新しい年を迎える。







終わっちゃったよ


遼ちゃんと恋をしていた年が。





始まっちゃったよ


遼ちゃんのいない年が。







寝る前に、麻衣子と信汰にメールを送った。


『今年もよろしくね!』って。





窓を開けて見た新しい空には、たくさんの星が輝いていた。


その中でオリオン座が力強く光っている。



すごく綺麗だった。





遼ちゃんも今頃星を見てるかな…。



もしも同じ空の下の違う場所から同じ星を見てたら


これって奇跡だよね。




そんなことを思いながら眠った。