学校祭が終わると、みんな気が抜けてなんとなくだらだらした日々を送っていた。

そんな中、定期演奏会を目前にしたブラバンは、三年生の姿を見ることが多くなりにぎやかになった。



嶌田部長が毎日はりきって練習に参加してるけど、

遼ちゃんは時々しか練習に顔を出さない。



私がお風呂に入ろうとしてる時、お母さんがお父さんに話してるのを聞いちゃったんだ。


遼ちゃんのおじいちゃんが腰を痛めて、遼ちゃんが毎日手伝いに行ってるって。



遼ちゃん、頑張ってるんだね。




遼ちゃんは合奏練習の後半だけに来てるから、まともに顔を見ることも話すこともなかった。



ブラバンの仲間たちは、そんな遼ちゃんと私を見て何も言わなかった。


何もなかったように、明るくふるまってくれていた。