「葵ちゃん、16歳の誕生日おめでとう」


おばあちゃんが微笑んで言ってくれた。



忘れてた。


今日は私の誕生日…。




遼ちゃんの誕生日は覚えてたのに自分の誕生日を忘れてるなんて…


どれだけ私は遼ちゃんのことが好きなんだろう。




「ありがとう」

笑った私を見て、家族みんなが喜んだ。



部屋に戻って着替えた私は、鞄に入れたままだった携帯電話を手に取り、

メールの着信に気づいた。




昨日の日付で受信されたメール。


受信相手は遼ちゃんだった。





恐る恐るメールを見た私の目から



また涙が溢れだす。





『明日ゆっくり会えないかもしれないから部活の後会える?
1日早いけど誕生日プレゼントだ!!』





遼ちゃん…私にプレゼントを渡すつもりだったんだね…。


ごめんね…。


ありがとう…。


もう私のことは気にしなくていいんだよ。



神崎先生と恋をして、

もっともっと素敵な人になってね…。