遼ちゃんと別れた夜、布団の中で泣いた。


泣いても泣いても止まらない涙…。



泣き疲れるまで泣いた私は、濡れた枕に顔を埋めて眠った。






朝になると、カーテンを閉めないまま眠った私を太陽の光が起こす。


時計を見るとまだ六時前だった。



あれから時間は流れてるのに、胸の痛みは変わってない。


いつか、時がこの痛みを癒してくれるのかな…。



だけど、遼ちゃんを忘れることが癒しになるなら、

この痛みが消えてしまうのが怖い。



遼ちゃんを好きじゃなくなるなんて…


やだ…。






しばらく布団にうずくまってた。


布団から出ると遼ちゃんがいない世界が始まるように思えて、布団から出るのが怖かった。




「葵、そろそろ起きないと遅刻しちゃうわよー!」


お母さんの叫び声でやっと布団から出た。


私は、腫れた目を隠すように前髪を下ろし部屋を出た。




「おはよう」


私の顔を見て、家族みんながにっこりと笑った。