「遼ちゃん…私、遼ちゃんと別れたい」


遼ちゃんの温もりに包まれながら、唇を噛み締めた。




本当はどこかで期待してる。


『大丈夫だよ』って魔法をかけてくれると願ってる。






遼ちゃんは何も言わなかった。



そして、沈黙の後に言った言葉は



「ごめん」 だった。




私を抱きしめている腕がほどけていく。



必死で泣くのを堪えて言った…




「バイバイ」









音楽室を出て行った遼ちゃんの足音が消えても

遼ちゃんの温もりが残ってる。




もう感じることのない最後の温もりを、

両手に抱きしめた。









さよなら、遼ちゃん…。