「明日の朝、俺早く学校に行かなきゃいけないから一緒に来れないんだ。
だから、ちょっと…今いいかな?」


「うん、いいよ。私も話したいことがあるから…」



ドキッとした。

もしかしたら、遼ちゃんから別れをきりだされるのかな…。

それでもいいよ…。

遼ちゃんが自由になるなら、私はどんな言葉でも受け止める。



外から音楽室の電気が消えてることに気づき、私達は誰もいなくなった音楽室に入った。


さっきまでみんながいた明るい音楽室が、とても静かだった。




電気をつけようとすると、後ろから遼ちゃんが私を抱きしめた。



「遼‥ちゃん?」


遼ちゃんの制服のポケットの中の、なにか硬いものが背中に当たる。



遼ちゃんの温もりを感じ、私の心が揺らぎそうになった。





言わなきゃ…






言わなきゃ‥‥