「サブロー、ただいま」


家の前にいるサブローは、いつもシッポを振って迎えてくれる。


無邪気にお腹をだして喜んでいるサブローが愛しい。




こんな風に、私も無邪気になりたい。



少し胸が苦しくなった。







「あれ、あんた今帰ったの?」


家から出て来たお姉ちゃん。


背中まで長い髪を一つにまとめて、自転車のペダルに足を掛ける。



「うん。お姉ちゃんバイト?」


「うん」




サパサパした性格のお姉ちゃんとは、仲が悪いってわけじゃないけど、あまり深い話をしたことがない。



だから、結構謎が多いんだ。