麻衣子と信汰に遼ちゃんとのことを話すと二人は驚いてた。

だけど、その後麻衣子が言ったんだ。


「葵は小川先輩の過去じゃなくて今が好きなんだよね?」


「うん…」


「だったらもう悩むのはやめよう?過去は変えられないし、一番悔やんでるのは小川先輩なんだから」



麻衣子が言ったことは、遼ちゃんと話した後に何度も自分に言った言葉だった。




「俺、小川先輩の気持ちわかるかも…。
いくら好きじゃなくても、自分のせいで傷ついた女がいたら、やっぱり放っておけないよ」



信汰の言葉が私の胸にひっかかった。



「本当に?本当に好きな人じゃなくてもできるの?」


「‥‥‥‥」



強い口調になった私に、信汰の顔が固まった。



「ごめん…その場になってみないとわかんない」


あいまいになった言葉が、信汰の正直な答えだった。




私を思って言ってくれている言葉に、どうしてもどこか反向ってしまう私がいた。



「信汰ごめんね。私…八つ当たりしてるよね…。
二人とも心配してくれてるのに、ごめんね」


「そんなことないよ。私達には何でも言って!
元気になるなら八つ当たりでもなんでもしていいから!」


「俺は八つ当たりは勘弁!!」



二人は、私が元気になるよう笑顔を見せてくれた。