教室の掃除をしてゴミが山積みになったごみ箱を、外のごみ処理場に持って行くとたくさんの人が並んでた。

学校祭の準備でどこのクラスもごみが多くでるんだ。

私はその列の最後尾に並んだ。


すると前に並んでる二人の三年生が少しずつ前に進みながら話してるのが聞こえてきた。



「え、そうなの!?それってひどくない!?神崎先生かわいそうだよ」


「でしょ!?神崎先生が教育実習に来てた時のこの噂話って本当らしいよ」


「小川先輩って一年生の北島って子と付き合ってるけど、本当は付き合わされてるだけなんだ~。神崎先生と小川先輩、両想いなのにかわいそう」




私の知らない人たちが、目の前で私の話をしてる。


私の頭の中は真っ白になってた。




「おっ、葵もごみ捨て?俺、看板作りで失敗してだめにしちゃって‥」


信汰が来て話しかけてるのに、私は顔を上げられなかった。


信汰はすぐに私の異変に気づいた。




「それじゃあ神崎先生と小川先輩が付き合うべきだよ!さっさと北島なんかふっちゃえばいいのに!」


その言葉に怒りをあらわにした信汰が三年生の肩を掴もうとして、

私は信汰の手をすぐに止めた。



納得のいかない顔をしている信汰に向かい、何度も顔を横に振った。



信汰は泣き出しそうな私の顔を見て、私に止められている手の力を抜いた。