部活が終わった帰り道、麻衣子と信汰にいっぱい遼ちゃんのグチを言った。


二人は遼ちゃんと私の過去を知っているから、ただ頷いて聞いてくれてる。




七歳のあの時、

傷ついてた私に最初に声をかけてくれたのは信汰だった。




内気で友達が少なかった私。


居心地の悪い昼休みの教室。



壁新聞を読んでるふりをして過ごしてたら、

メガネをかけた男の子が話しかけてきた。



『それ、おもしくないよ』


信汰だった。




そして、信汰の声を聞いて脹れた顔でやって来たのが

麻衣子。



『信汰!あんた失礼なこと言わないでよ!』

『本当のことだろ』




二人とも幼稚園から同じだったけど、あまり親しくなかった。



言い合ってる二人を見ているうちに、自然と笑ってる自分に気がついた。





その日から、私は二人と仲良くなった。