あれ…?ソが鳴らない。


どんどん息が苦しくなってくる。

みるみる自分の顔が赤くなっていくのが、顔の熱さでわかる。



思ってたより難しいな~。

私、こんなんで本当にあの音色がだせるようになるのかな…。





「大丈夫、そのうち鳴るから」


不安になった瞬間、遼ちゃんの言葉が胸に響いた。




顔を上げると、あの笑顔が目に映る。





会いたくなかった


嫌いだったはずなのに…






その笑顔が、



私の胸を掴む…。







何のせいで顔が熱くなってるのかわからなくなっていた。



これから、どう接していけばいいんだろう…







不安なのに、高鳴る鼓動を感じている私がいた。









こうして私の高校生活、


トランペットと遼ちゃんとの日々が始まったんだ。