誰ひとり涙を見せることなく黙って評価を聞いている。


砂山先生は、声を詰まらせながら五人目の評価を読み始めた。



その時、この場にふさわしくないと言える陽気なアニメの主題歌が流れ、

慌てた顔で砂山先生はズボンのポケットから携帯電話を出した。



みんなは顔をあげて砂山先生を強い眼差しで見ると、

砂山先生はみんなにただ頷いて電話にでた。


それだけで、電話の相手が林先生だと伝わった。



砂山先生の表情がどう変わるのか、どんな言葉を出すのか、

みんなは息をのんで見ていた。




嶌田部長は無事だと言って!!




誰もがそう祈り、それを信じていた。





神様…

私達の願いを叶えてください。





嶌田部長を助けて下さい。