その日の夕食は、私の好きな牛丼。


いつもはおかわりするのに、半分残してしまった。




「変ね、サブローまで食欲ないみたい」


お母さんが私の残した牛丼をサブローにあげたけど、

サブローは食べなかった。








あの日以来、遼ちゃんとは会っていなかった。


遼ちゃんの家の前の道はいつも避けてた。


同じ学校でも、二学年はなれてるから運動会や学芸会でしか見かけなかった。






『遼ちゃん』








二度と呼ぶことのない名前。




私の嫌いな人。