合宿最後の午後の練習。

先輩達がコンクール曲を演奏して聴かせてくれることになった。



コンクール曲。

『 ファランドール 』





きちんと聴くのは初めて。

林先生がタクトを振りあげると緊張が走った。

普段とは違う先輩たちの真剣な表情。







演奏が始まった瞬間、

鳥肌が立った。



一斉に鳴り響いた音たちが

直球で胸の奥に入ってくる。




私は息をするのを忘れるくらい演奏に聴き入っていた。



力強い金管の旋律。


張りつめた空気の中で優雅に動く木管の音色たち。


華麗な音色の中に潜む、鮮やかなアクセント。


狂いのないパーカッションのリズム。





熱い思いが


この演奏に込められている。





かっこいい…


先輩たち、

最高にかっこいいです。



自然と涙が溢れた。