誰もいなかった


雪斗「うおぉぉぉ!なんだこの町はっ!
今日二人しか住人に会ってないだろっ!


空に向かって叫ぶ俺。


声「…あの。

背後から声をかけられ嬉しくて振り向く。

そこにいたのは今朝パンを貰った少女だった。


鈴「お困りですか?
ユキさん。



雪斗「よお、またあったな。


クールに決めた…
つもりだが…若干顔がにやけてしまった。

雪斗「変なこと聞くけどよ。


鈴「はい。


雪斗「…この町って…人住んでるのか?


鈴「たくさんいますよ?


雪斗「…マジで?全然人いないんだけど…。



鈴「…すみませんっ。頑張って村起こししますっ。



雪斗「まあ…頑張れよ。

今朝もそうだったけど…なんか、不思議な空気を出す奴だ。
なんとなく心地よさを感じる。



雪斗「そういや他のみんなは?


まわりを見渡したが、他に生徒らしい人間は見あたらなかった。

鈴「みんな帰りました。


雪斗「鈴はこんな時間までなにしてんの?


鈴「部活ですっ。

雪斗「…一人で?

鈴「はい。

そう言うと鈴は笑顔をみせた。

頑張るな…一人で。俺も人のこと言えないけど。