でも、靴がないと帰れない。 このまま学校に残るなんて絶対に嫌だ。 どうしよう...。 「何、泣きそうな顔してるんだよ。」 後ろから聞こえた愛しい声。 でも、さっきのことを思い出して胸が痛む。 「...っつ。直っ...。」 振り向くと暗い瞳で私を見いていた。 直と城山さんがキスしていたところが脳裏に浮かぶ。 「これだろ?お前の探し物。」 そういって、私のぼろぼろに落書きされたローファーを差し出した。