「お前、最低だな。俺のこと好きじゃねぇのか?」
すきだったら俺をそんな風に邪魔者扱いしないだろ。
「す、好きだよ...。でも直は城山さんのことが好きなんでしょ!」
「だから、何でそれが出て来るんだよ。彼氏の前で男とキスしてる奴が言えるせりふかよ?」
おれがそういうと、
「それは...。」
と口ごもった。
なんだよ、ここまでして未瑠のこと考えてやった俺より急に出てきた荒川を選ぶのかよ。
くそっ。
「俺は、城山とはなんにもねぇよ。」
低い声でそううめいた。
「もう、いいよ!直の馬鹿。」
走り出した未瑠。